私はおちびのへこたれた姿を見たことが無い
我が家のおちびはへこたれない。
ちっともへこたれない。
落ち込むことも、ほとんどない。ほぼ無い。
「今日は予防接種だよ!」と朝から伝えてあっても、イヤダーギャーと騒ぐが、しょんぼりすることは無い。
代わりに注射のときに、お医者さんを蹴り上げ注射を阻止しようとするタイプだ。
頼むから、小児科診察室で座ったとたんに足をすばやく動かすの、やめてくれ。
たまに…じゃないな、ほぼ毎日…おちびに雷を落とす。
自分で言うのも何だけど、私の説教はけっこう怖い。
「説教が始まった!」
と思った瞬間に、ココ(犬)がゲージ内へ全力で逃走していくぐらい怖い。
ココ、叱られてるわけじゃないのに。
当然、おちびは泣く。
だがしかし。
説教が終ったと思った瞬間に、
「おならぷー」
とのたまい、変顔になり、お尻を振りながら踊りだす。
脱力。
がっかり。
本当にがっかり。
説教した内容なんて瞬時に消し飛ぶ。
感情に任せて怒鳴りまくったこともある。
普通は怒鳴ったあとに「やってしまった…」と親が反省するらしい。
そのぐらい子どもがしょんぼりするのだろう。
だがしかし、我が家は違う。
おちびは、私が反省する隙を与えない。
寸前まで泣いていたくせに、怒鳴り終わったと思うとニヤーっと笑って、ぷりぷりとお尻を振り、ダンスが始まる。
変顔になる。
子どもが好きな下ネタ単語を連発する。
さらに余裕の笑顔で私にすりより、「おかーちゃんがすきなの♪」とご機嫌をとってくる。
反省する以前に、私は頭が痛くなる。
おちび、オマエさんはどれだけタフなんだ?
叱っていることの意味は伝わっているはずなんだけど(おちびはそれなりに反論するし)、どうも、おちびの手のひらの上で転がされているような気が…。