こんにちは!トマト行政書士事務所の菊地です。
独立開業のときに、なんとなく一人だとなぁ……となって、仲間を募って共同事務所や合同事務所にする方がおられます。
また、行政書士に限らず一般的に、仲間内で誘って
「一緒にビジネスやろう!!」
って盛り上がり、起業するような場合もあるでしょう。
ただ、こういうのってたいがい失敗します。
滅多に無いのですよ、最後までうまく行くケース。
かく言う私も、独立開業時は合同事務所の空きスペースへ入れてもらったのだけど、ほんの数か月で事務所移転することになりました。
それは、合同事務所そのものを借りていた人がご自分の都合で別の事務所に勤務することになったためなのだけど、自分以外の都合の影響を受けるのは大変だと思って、今はずーっと一人事務所です。
だって、全然自分のタイミングではないときに、事務所を移転するっていうのはね……手間も時間もお金もかかるから、なるべく移転は避けたいのです。
そんなわけで、今日は「一緒にビジネスやろう!」で気を付けることを書いていきます。
「一緒にビジネスやろう!」でよく起こる問題と解決法?
「一緒にビジネス」の失敗談は、いくつかのタイプに分けられると思うので、類型別でまとめました。
価値観の違い?ルーズな人が混じっているとトラブルになりやすい
まずよくあるのが「価値観の相違」。
ルーズな人が混じっていると、すぐにトラブルになります。
気が合う相手だからビジネスやろう!となったにしても、お金の価値観が合うかどうかは別問題です。
例えば、
「ちょっとお金貸してよ」
で100円貸したとします。
ビジネスを一緒にやっていればふつうは毎日顔を合わせるのだけど、さて。
「借りたままにしておくのは気になるから」翌日返しますか?
「すぐに返すっていうのは一週間ぐらいでしょ」来週返しますか?
「100円ぐらい一緒に仕事してるんだし別にいいじゃん」返さないでおきますか?
100円程度のこと、ふつうに友達付き合いをする分には、多少イラっとしても他の部分が良ければそれで許せるでしょう。
もしかしたら結婚だって、100円程度のことなら目をつむるかもしれません。
でも、ビジネスはダメです。
ビジネスは、究極にはお金が目的なんですから。
許容できなくなってしまいます。
これを避けるためには、
- ビジネス上のお金のルールを決めておく
- ビジネス以外でのお金のやりとりはやめる
※これは本当にトラブルになりがち - ルールを破る人が居ても怒らない
※必要なのは怒る事ではなく話し合い。怒ったところで相手は大人なんだから変わりません。
感傷的なやりとりをすれば、「一緒にビジネス」どころではなくなってしまいます。
感傷的にやりとりをするぐらいなら、第三者を介しての話し合いをしたほうがいいでしょう。
お金への欲は無尽蔵?貪欲っぷりの違い
一緒にビジネスを始める、あるいは合同事務所を始めるとします。
どんなタイミングで事業を拡大しますか?
最初は「二人でやれば事業が加速する」ではじめて、人を雇ってうまく行き、さて次の一手はどうしますか?
多少リスクをとってもやりますか?
既にある程度うまく行っているなら、手堅く微増させていきますか?
このあたりのスピード感、本当に人それぞれです。
どこかの企業じゃありませんが、本当に「圧倒的成長」とやらでまっしぐらに突き進む、どんな手を使っても事業拡大目標達成まっしぐらタイプって居るのですよ、本当に。
「常識的な範疇で」ひたむきな努力をする人も居るし、いつしかやる気を失って、こそこそ隠れて逃げる準備を始める人も居ます。
人間、ビジネスだけで生きているわけじゃないから、何か実は他の理由で「やる気」を失うケースもあります。
そういう人は罪悪感から、こそこそ隠れて何かを解決しようとして、手遅れにしがちです。
異変に早めに気が付いて、手を打ったほうがいいでしょう。
そうでなければこちらも巻き添えを食います。
- 最終目的をすり合わせておく
- 定期的に最終目的の確認ミーティングを行う
- 異変に気が付いたら、早めに腹を割って話し合う
特に最後がポイントです。下手に責めても状況は変わりません。
恨まれるだけ無駄です。
ビジネスの上で最善の一手を考え、生き延びることが大切です。
ハラスメント?なあなあ?気が緩んできたときに
ビジネス上での付き合い方、取引の仕方って、意外と人によって違います。
「常識的」なやり方の、その常識の基準が違うのです。
例えば取引先への見積り一つにしても、出された見積に対して必ず値引き交渉をする人。
見積を何社か取って、比べて安いところを選ぶ合い見積もりタイプ。
信用できる一社から見積もりをとり、その金額にあわせて予算や販売額を考える人。
それぞれの人が、自分を「常識的だ」と思っていること間違いなしです。
さらに言えば、値引き交渉だって、若干パワハラ気味に「この程度引けよ!」と強く言う人だって居ます。
「うちのは簡単な内容だから、この程度でも利益は出るはずだ」とか。
そういう人から見たら、一社から見積もりをとってそれで終わりにする人は、なあなあでビジネスをやっているようにしか思えないかもしれません。
不良品や、当初と違う状態の商品が届いても、なあなあで済ませる人。
厳しく指摘し検品を要求する人。
それぞれです。
合同事務所でやっていくにしても、事務所の内装におかしな場所があったらどうするか?
コピー機や応接など、共有で使う部分への、こうした対応の違いはどうするか?
一緒に仕事をやっていくとは、実に様々な部分ですり合わせが必要になってくるのです。
- 細かな部分は担当制にし、他の担当部分は任せてしまう
- ハラスメント等は事業や合同事務所全体の印象につながるのであらかじめルールを決めておく
対策としては以上になりますが、まあなかなか難しいでしょう
一緒にビジネスをやるときに必要な考え方
ビジネスのうえで最も大事なことは、怒っても利益にならないということでしょう。
お互いに大人ですから、まず怒ったところで相手は変わりません。
一つ気に入らなくなり始めると、もう全部に腹を立てる人がいます。
一方、勝手に何かやってあげておいて、「感謝されない」ことに腹を立てる人もいます。
みんなそれぞれ違ってそれぞれ良い、なんて言っている場合ではありません。
ビジネスでは、怒りは利益につながりません。
怒るだけ無駄です。
異変には話し合い。
相手を責めても相手は変わらないので、できることといえば、自分が変わって妥協できるなら妥協していくことと、どうしようも無いときは早めに撤退する、手を打つということなのです。
結論から言うと、難易度が高い!
以上から、一緒にビジネスやろう!とか合同事務所やろう!というのは、実に難易度が高いことがお分かりいただけると思います。
実に難しい。本当に難しい。
ビジネスを進めていくことに力を入れ、それ以外にも力を入れなければなりません。
リーダーになるのは一人がいいかなぁ、その方が難易度低そうだけど……というのが結論です。