【よくある質問】行政書士はもうかりますか?

行政書士は儲かるのか
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行政書士は儲かるのか

質問者さん

行政書士って儲かりますか?

きくち

たぶん儲からないです!
他の資格と比べても、儲からないと思います。

「行政書士は食えるのか」
と並んでよく質問されるのが
「行政書士は儲かるのか」
です。

この2つの質問、似ているようでいて、全然違います。
食えるかどうかと儲かるかどうかは別問題。

結論から言うと、儲からないような気がしています。

とはいえ、やり方次第だという面は否めません。
あくまでもざっくりと大まかに全体を見渡すと、儲からないなぁという印象です。

行政書士業務は工程が多い

行政書士業務、同じ金額を稼ぐにしても、他の資格と比べて工程が多いように思います。
これは勘違いではない筈です。

例えば、弁護士さんと比較すると…契約書の作成を1通お願いすると、簡単な契約書で、だいたい10~20万円ぐらいじゃないかしらとおもいます。
同じ程度の契約書を行政書士が作成すると、2~5万円ぐらいではないでしょうか。
勿論、それがいけないとか、値段を上げるべきだとか、安い方がいいとか、そういう視点での話ではなくて。
あくまでも今回は儲かる儲からない論です。

行政書士業務で、10~20万円ぐらいの業務というと、たとえば建設業許可なんかはどうでしょう。
新規の知事許可(都道府県単位での許可)で、だいたい15万円前後ではないかとおもいます。
これは難易度や、要件を満たす方法が経験なのか資格なのかとか、あれこれ条件が違うので、そのあたりを無視してざっくりした金額です。
ですが、ものすごく簡単に言うと、契約書1通作るのと、建設業新規許可申請の書類を作るのとでは、分量がまるで違います。

行政書士業務は、同じ金額を稼ぐにしても、工程が多いと思うのです。

きくち

工程が多い、言い換えると手間がかかるということです。
手間がかかるわりに安いのが行政書士業務!
これでは儲かりにくいです。

質問者さん

これで行くと、弁護士業務のほうが、楽に儲かるということですか?

きくち

「楽」の意味合いによるでしょうか。
弁護士業務は、工程数とは違う部分が大変なように見えます。
そもそも資格取得にかかるコスト、つまり勉強時間やかかる費用が全く違いますし。
ただ、工程数が多いということは、仕事を多く受けられないので、儲けるのが難しいというだけです。工程数が少ない=楽ではありません。

スポット業務が中心

行政書士業務は、顧問契約が取りにくいとよく言われます。

スポット業務が中心になります。
税理士さんの記帳代行や、社会保険労務士さんの給与計算のように、顧問契約をして、毎月必ず発生する業務というのが無いのですね。

例えば先に挙げた建設業許可。
これは5年ごとに許可の更新手続きがありますし、また毎年決算のたびに届け出が必要になるなど、定期的な収入にはなり得ます。

でも、税理士さんや社会保険労務士さんの「毎月」と比較すると、頻度が低いです。
あるいは、弁護士さんの相談による顧問契約など…そういった資格と比べると行政書士は、顧問契約を結びにくいのではないでしょうか。

頻繁に変更が必要な会社さんなどであれば、資格の維持のために顧問契約を結ぶというのは、あり得ますけども。
やっぱり、全体的にみると、定期収入に結びつけにくいです。

きくち

リピーターとなってくださるお客様が居ても、次にお客様となるのが数年後なのと1か月後なのとでは、全然収入が違います。

地方によってやり方が違うかも

ある程度大きな組織でやって効率よく!
と考えたときに行く手を阻むのは、ローカルルール。

何かの許認可を得よう、変更手続きをしようとしたときに、例えば必要書類とか、細かい要件だとかを全部法律で定めてあるのかというと、そうではありません。
裁量といって、役所が判断して決めてもいい部分があります。

ものすごく細かい部分ですけども。

例えばの架空の許可の話です。
「この基準を満たすには5年以上の経験者が2人居なければならない」という要件が法律にあって、それを満たさないと許可してもらえないとします。

ある自治体では、「非常勤でもパートでもなんでもいいからとにかく5年以上働いていればいい」かもしれません。
別の自治体では、「1年に180日以上の勤務実績があって、そのうえで5年間分。パートアルバイトでもかまわない」かもしれません。
また別の自治体では、「正社員に限って5年以上」かもしれません。
どれも5年以上ですよね。

こういう違いが細かくあちらこちらにあるかもしれないのが、自治体の裁量というものなのです。

こんなふうに違うから、なかなか大規模な組織で動くのが難しくなります。

だって、規模が大きくなればなるほど、小さな自治体内で仕事を全部賄うのは難しくなります。
(わがトマト事務所ですら他県へ行くのに!)
同じ許可でも、基準が違うから、大きな組織で一般化して動く難易度が上がります。

きくち

かんたんに言うと、行政書士業務は効率が悪いのです。

儲けるのが不可能なわけではない

勘違いしないでほしいのは、儲けるのが難しいというだけで、無理です儲からないです!というわけではないこと。

その人次第、やり方次第です。

小さな事務所でも年商が億単位の事務所もあります。
こればっかりは商売のセンスですよね。
トマト事務所はそんなふうに儲からないですから、儲けるには何かしら別の視点からの工夫が必要だろうと思います。

スタッフを入れたら、その分、集客をし続けなければなりません。
営業と業務実務を回し続ける、スタッフの入れ替わりにも対応する…なかなか難しいな、と思います。
トマト事務所はその次元ではないので、そういうお話はまた別途経験者からお伺いするのがいいでしょう。

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この記事を書いた人

きくちのアバター きくち トマト行政書士事務所 代表

新潟市在住。トマト行政書士事務所代表。
家族はおちびと犬2匹、クサガメ1匹。

1日の移動距離が30km程度までならクロスバイクで移動。
それ以上は自動車で、新潟県内外を走り回り中。

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