おいしいものが食べたいのですよ。
美食っていうんじゃなくて。
読んだわけ
この本を読んだわけは、いわゆるパケ買い、ビジュアル買い。
この本を最初に見たとき、第一印象は森ガール的な穏やかな風景…なんだけど一緒に写っている人物は森ガールから180度あちらの方向のような…。
しかしまぁ、穏やかな気分になれたらいいなと思って、読んでみた。
そしてタイトルには、野生食材とある。
ちょっと話がそれるけれど、私には、ほんのささやかな趣味がある。
趣味といっても、没頭するような、そんな大きなものじゃない。
ただ、ちょっと「変わった食べ物」を見かけるとつい、挑戦してしまうというだけだ。
趣味っていうのはそぐわない言葉のような気がしてきた。
「方向性」って言ったらいいだろうか。
いなごの佃煮…はけっこうふつうの存在で、ふつうに食べちゃう。
めだかの佃煮…これも結局は小魚であるから、ふつうに食べちゃうな。
なんだろうな、最近食べた、変わった食べ物って。
ざざむし、とかかな。
ざざむしの佃煮、これは食べると、けっこうふつうに佃煮だ。
なんだろうなぁ…わに、かえる、だちょう…うさぎ?
これらのちょっと変わった食べ物には、共通点がある。
口に入れるまでは、どきどきしている。
とんでもない味がしたらどうしよう、という不安。
こんなものを食べちゃっていいのかしら、という罪悪感のような何か。
これらをふつうに食べている人からしたら、罪悪感だなんて失礼な話だが、通常食べているわけでもないものを食べるのは、なんとなく罪悪感がある。
そこを突っ込んで考えると、そもそも食べるという行為は罪悪につながるものなのだとか、そういうことになるんだろうと思う……普段は、「いつも食べてる」「みんな食べてる」から、よく考えず、感覚が鈍っているだけで。
とまぁ、とにかく、口に入れるまではどきどきする。
そして、口に入れると、似たようなアレコレの味を思い出し、「意外と食べれるなぁ」という感想を抱いて、おしまい。
すごくおいしかった!とか、なにやら大きく感動した!ということもなく終る。
さて、この本が扱う野性食材ってなんだろう。
どきどきするような食べ物かな?
どんな話なんだろう。
ちょっとどきどきして、読んでみた。
結論
この本は、すごい。
私が勝手にどきどきして期待した、その期待を完全にかなえる内容だった。
野生食材を扱う料理について、書いてある。
料理方法が書いてあることもある。
でも、この本の魅力は、料理じゃなくて自然だ。
食べるのだ。
野生を感じて、命を感じて食べることが大切なのだ。
野性味をおさえる料理をしたらもったいない。
読んだだけで、ちょっと元気になる本だ。
そうだなぁ…とりあえず、今後は「きのこが趣味」っていう人には気をつけようと思う(読めばわかる)。