愚か者ほど出世する(ピーノ・アプリーレ 著)読後レビュー

こういう本を、面白がることができるような大人になりたいと常々思っていた子ども時代。

良かった、ちゃんとそういう大人になったらしい。

言葉尻をとらえてやたらと批判したり、重箱の隅を突いて鼻の穴広げたり、そういう大人にだけはなりたくなかった。

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読んだわけ

愚か者ほど出世する。
刺激的なタイトルが目に入った。
次に目に入ったのは「養老孟司 序文」の文字。
そうかそうか、愚か者の話の序文は、バカの壁の人か。

ぺらぺらと序文をめくってみた。
「イタリア人はこういう話がうまい。冗談を通して、本当のことを伝えようとする。『現代人はバカになるために生きる』。まじめな人はそう聞いて怒り出したりするが、それは野暮である。」

なるほど。
どこまで信じていいかは自分で考える類の本だ。
GWに読むには、ちょうどいい現実逃避になりそう。

そんなわけで、読んでみたのだった。

結論

まず最初に言っておくが、養老先生のバカの壁に出てくるバカと、この本に出てくるバカとはタイプが違う。
まぁ、どちらもバカには違いは無いので、五十歩百歩かな。

人は家畜化していっているので、人の脳はだんだんと少なくなってきている。
これは事実。
そこをベースとして、人類にバカが増えて言っているんじゃないかという話が延々と続く。
著者はイタリア人ジャーナリストらしいが、この著者と、オーストラリアの哲学者との間で、人類バカ化説についての往復書簡が続くのだ。
著者はただ妄想を書き連ねているわけではなく、それなりに科学的根拠を調べて、まじめにバカ化説を論じていく。
それに対する哲学者の返事は、なんというか、常識的だ。

けっこう面白い。
たまに「ふっ」と笑いがもれてしまう程度には面白い。

読みながら、イタリア人の文化について考えたり、世界は広いなぁと思ったりもした。

日本人はやっぱり、まじめ(かつ余裕が無い)なんだろう。きっと。
仕事上、私が人の死や不幸に関わることが多いために、そう感じるのかもしれないけれど。
日本人ってそんなに不幸じゃないのに敢えて視野を狭くして不幸だけを見つめたがるような、視野を広くすることを不真面目と勘違いしているような……そんな気がしたのだ。
経済的な余裕でいけば、日本のほうがイタリアよりも余裕は無いはずなのだけど、文化的な余裕があるのは、イタリアのほうなんじゃないかな、と。
余裕が無ければこんな本書けないし、そもそもこんな本を出版もできないだろうし。
軽妙洒脱、いいなぁ。

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